2007-01-01から1年間の記事一覧

リベラルな権力者の歴史家、シュレジンジャー・ジュニア死去

アーサー・シュレジンジャー・ジュニアが2月28日、89歳で亡くなった。ハーバード大学で教え、二度のピュリッツァー賞に輝き、ケネディ政権の特別顧問を務めた後は雑誌やテレビでも活躍したアメリカを代表する歴史家だった。ここでは彼の死を悼む『ワシントン…

日本のインテリジェンス研究

Apemanさんのところで歴史叙述と情報戦の関係について触れたので、この機会に日本におけるインテリジェンス研究の動向について整理してみたい。最初に断っておくと、「インテリジェンス研究」というと日本語でも英語でもArtificial Intelligence、つまり人工…

「日本」映画として『硫黄島からの手紙』

先日ようやくクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』を見たので、その感想を書いてみたい。一言でいうと、「日本」映画かと見まがうような作品だった。ただし、ここでいう「日本的」な性格とは次のようなものを意図しているわけではない。 ・全…

歴史叙述と文書公開

米国公文書館の資料公開によって従来知られていなかった戦後日本に関する事柄が近頃たてつづけに報道された。 一つ目は、戦後CIAが辻政信(ノモンハンやガダルカナル戦の当事者)や児玉誉士夫(右翼の巨頭で、ロッキード事件被告)を情報提供者として利用し…

鶴見俊輔他『日米交換船』

太平洋戦争の開戦をきっかけに、日米双方に居住していた敵国民を船で互いに送り返す交換船についての証言録。前半は当事者の一人であった鶴見に対する加藤典洋、黒川創によるインタビューで、後半は黒川による日米、日英交換船の巨視的・微視的な解説。交換…

開設

ブログを新しく開設しました。折に触れてメモ帳代わりに使っていこうと思っています。